2015年11月16日月曜日

C89冬コミのお知らせ

C89当選しました。
UNT2worksは3日目(12/31 木曜日) 東メ02bにてコミケ参加致します。

新刊1冊と既刊本の頒布を致します。

今回の新刊は、また原点に戻りまして水冷を初めて行う方向けに躓きそうなポイントを解決するためのアプローチを、具体的な製品や解決方法を紹介する予定です。

(2015/12/12更新)
新刊は水冷PC読本 vol.7 水冷沼落としへのステップアップ編です。
空冷&簡易水冷から組立水冷へステップアップする際に無理なく水冷に挑戦できるように
水冷へのアプローチを最新の水冷キットなどを使って紹介しています。
水冷に対する近寄り難い感覚を少しでも薄めてもらえればと思います。

巻末にはコミケ会場などでも聞かれた皆様からの質問に対する回答をFAQの形で掲載しています。

vol.7で使用した水冷パーツはEKWBのPredator,Magicoolの水冷キット、ASUS社のPOSEIDON 980Tiなどになります。POSEIDONはレビューも含めていますので購入予定の方はご参考頂ければと思います。

vol.7 頒布価格500円
既刊はvol.5、vol.6、総集編vol.1の在庫分を頒布致します。
vol.5~6は500円、総集編は1000円にて頒布致します。


ではコミケでお会いできるのを楽しみにしています。

2015年7月24日金曜日

C88夏コミのお知らせ。

皆様、ご無沙汰しております。UNT2worksです。
twitterでは告知しておりますが、C88もコミケ参加となりましたのでご報告致します。

今回は新刊2冊、既刊2冊の頒布になります。
なんとか間に合いました・・・










 







【新刊】
水冷PC読本 vol.6 コンパクト水冷編 頒布予定価格 \500
水冷PC読本 総集編 vol.1 頒布予定価格 \1,000

【既刊】
水冷PC読本 vol.4 ラジエーター検証編 頒布予定価格 \500
水冷PC読本 vol.5 CPUブロック検証編 頒布予定価格 \500

新刊のvol.6は最近国内でも発売が開始したNCASE M1を使用した、ハイエンド水冷マシンを作るレポートです。CPUにIntel Core i7 5960X GPUにRadeon R9 290Xを使用したハイエンド構成のマシンを使用したハイエンド構成をあのコンパクト筐体に詰め込んでいます。

総集編はvol.1~3を一部加筆修正し、まとめたものになります。総集編頒布伴い既刊のvol.1~3は絶版になります。基本の内容は大きくかわりませんが一部を2015年現在の情報を基にアップデート致しました。vol.1,2はC87でも最後の在庫分を頒布致しましたが引き続き頒布希望の方がいらっしゃいましたのでこういった形で継続させていただきました。

既刊についてはそれぞれ残部を若干数頒布致します。
ご希望の方はお早めにお求めください。

2015年5月22日金曜日

thermaltake Pacificシリーズレビュー 2 & aquacomputer airplex radical 2/360, copper fins レビュー

お久しぶりです。私事忙しく最近更新が全く出来ず申し訳ありませんでした。
延び延びになっていた最近発売されたラジエーターの検証を行ってみましたのでご報告です。

今回検証したのは前回と同じくthermaltake PacificシリーズからRL360、またaquacomputerからはairplex radical 2/360, copper finsです。

まずはRL360から確認していきます。

【thermaltake PacificRL360】

thermaltakeが去年発表し2015年から展開を始めたDIY水冷シリーズのラジエーターです。
アスク社の製品解説ページには以下の様な特徴が書かれています。
  • 軽量で耐食性の高いアルミ合金素材を採用
  • 純アルミ製品に比べて腐食可能性を55.6%削減
  • ラジエータ内部に2列に並んだ13組のフラットチューブを内包
  • 14FPIのフィンピッチで空気抵抗を抑えて風量を増加
  • フィッティング取り付け部はG 1/4を使用
  • 計4サイズのラジエータをご用意
基本的には他社のラジエーターと同じような仕様、サイズ展開ですが、特徴的なのはアルミ合金を用いて熱伝導性の向上と軽量化を狙っているというところでしょうか。
 アルミというとやはり水冷経験者なら水冷を行ううえで問題になる電触を誘発する可能性が高いのですが、アルミ合金を採用することでそれを押さえているとのことです。長期間使用ではどうなのでしょうか。正直若干の不安は覚えます。
















パッケージは上記の通り黒を基調とした化粧箱に入っています。















 ぱっと見の作りは各社から出ているラジエーターを変わりません。















 14FPIということで、そこまで高いフィンピッチではありません。















 64mm厚なので厚みは厚いほうだと思います。NEMESIS GTXシリーズより若干厚位ぐらいのサイズです。















G1/4のプラグが付属しています。プラグは専用の工具が付属しており、それを利用して締める方式ですね。ネジがなめたり、Oリングを潰さないよう作業は慎重に。















In/Outは両面どちら側にもあるのですが各環境に合わせてフィッティング取付位置を調整します。















付属品のネジ類です。ネジ径はM3です。

【aquacomputer airplex radical 2/360, copper fins 】

ドイツの水冷メーカー、aquacomputer製の新しいラジエーターです。
以前に出ていたAMSシリーズと較べて連結機能の省略や、薄型化など、コストダウンを意識したモデルの印象です。AMSシリーズと同様でフィンがアルミ製と銅製で二種類ライナップがあります。(内部の配管は銅製で共通)
今回の検証で使用したものは銅フィンモデルになります。
















パッケージ全景です。以前のAMSシリーズよりコンパクトな外観になっています。
















ラジエーター全景はこんな感じ。構造はAMSシリーズに準ずる構造になっています。


公式ではFPIの情報がありませんがかなり粗めのフィン配置になっています。
















 側面にはradicalのロゴが入っています。ステンレス製の枠は高級感がありますね。















 radicalはファン固定用のネジ穴がラジエーターにかしめられておらず上記のようなナットを下の写真のように枠にはめ込んでネジ受けとして利用します。















慣れれば気になりませんが、最初は若干付け方に戸惑いました。


【検証】

 今回の検証環境も引き継ぎまして以下の環境にて行います。但しリザーバーのみ変更致しました。
CPU    Intel Core i7-5960X Extreme Edition
GPU    EVGA GEFORCE GTX 750Ti
M/B    ASUS Rampage V Extreme
メモリー    Corsair Dominator Platinum CMD16GX4M4A2800C16
電源    Corsair AX1200
ファン    Noctua NF-F12 industrialPPC-3000 PWM
CPU水冷ブロック  EKWB Supremacy EVO
Reservoir    aquacomputer aqualis 450 ml fountain effect
Pump    aquacomputer D5 pump motor with USB and aquabus interface
クーラント    aquacomputer Double Protect Ultra Blue
ファンコン    aquacomputer aquaero6 XT

 負荷は4GHzオーバークロックで、OCCTを30分回して最高温度とアイドル30分後の最低温度を計測しています。モニターは OpenHardwareMonitorを使いaquasuiteで取り込んでログを出力しています。水温は経路上に設置した水温計から同じく aquasuiteでログを取得しています。両方とも1sec間隔で記録しています。(基本前回と同じですね)
 今回はラジエーター検証ですのでファンの回転数は1200,2000,3000とPWMで変化させそれぞれの値を比較しています。また比較検証用としてBlackIceのNEMESIS GTS360の計測結果を合わせて載せておきます。


















【計測結果:及第点の性能はあるが、GTSシリーズと僅差】

比較的似たり寄ったりの値になっています。
radicalはFPIが粗めなので構造的に冷えにくいのでしょうか?AMSシリーズと似た構造もあり、計測結果の傾向も似た値になっているように感じます。(vol.4参照)
Pacificは厚みありますが数値的にはGTSとあまり大差ありませんでした。もっと冷えそうなイメージもあったので何回か計測したのですが当サークルの環境ではGTSより優位な値は計測できませんでした。

【まとめ:同価格帯で突出した性能はないのでお好みで】

新たにDIY水冷に参入したthermaltakeには頑張っていただきたいのですが結果は上記のような数値となりました。但しアルミを採用したメリット・デメリットの検証までやりきれませんでしたので条件を変えてみて引き続き検証したいとおもいます。radicalも及第点レベルの冷却性能でしたが、見た目も綺麗ですしaquacomputerファンであればとりあえず使ってみるのも悪くないかもしれません。
どの製品も価格は10000円前後と平均的な価格で落ち着いています。環境や好みに応じて選択して良いのではないかと思います。
もし同様に検証された方がいらっしゃり、違う値や傾向がありましたら教えて頂けると助かります。

【次回:夏コミに向けて】

間に合いますかね・・・(汗

2015年2月9日月曜日

thermaltake Pacificシリーズレビュー 1


 お久しぶりです。1月に入ってthermaltakeのDIY向けの水冷パーツが発売になりました。9月に水冷の実演イベントを行った際に使用していたパーツですので、発売までかなりかかりましたがひと通りのラインナップが揃って出てきました。ポンプやブロック、ラジエーターなどがセットになったモデルも出ていますが、各パーツは単品販売もしています。
 そこで今回はCPUブロックとラジエーターをお借りしましたので新水冷パーツのレビューをしてみたいと思います。まずはCPUブロックのレビューから始めます。

【thermaltake PacificW1】

PacificシリーズのCPU用水冷ブロックW1です。対応しているCPUは以下のとおりです。
Intel LGA 2011-3/2011/1366/1155/1156/1150/775
AMD FM2+/FM2/FM1/AM3+/AM3/AM2+/AM2
ひと通り最近のCPU網羅しているのでほぼどの環境でも搭載可能でしょう。
 材質は銅ベースにニッケルメッキが施されたもので、内部の0.15mmピッチのマイクロフィンが特徴のようです。
 フィッティング取付部はG1/4でネジが切ってありますので同規格の水冷用フィッティングは取り付け可能になっています。UNT2worksではKOOLANCEのシャットオフバルブQD3シリーズを取り付けて問題はありませんでした。

【開封&取付(LGA2011)レポ】


  
 パッケージ外観はよくあるCPUブロックのパッケージですね。メーカーロゴと製品名のシンプルなパッケージです。


 ブロック本体と各マウント用の固定ネジ、バックプレート、説明書、保証書が付属していました。


 各部品毎にアルファベットで区別して変わりやすくしてあります。他社製品だと部品のイメージ図で判断することが多いのでこういった部分はわかりやすくていいですね。

  Intel向けのマウンタが標準装備されています。AMDに装着する場合は同梱のAMD用マウンタと交換します。

 マザーボードに取り付けた状態。LGA2011はCPUクーラー固定用のバックプレートが標準で付属しており、ネジ穴もあるため、その他の水冷ブロックと同様にそこにネジを立てて上からつまみネジで締めて固定します。W1の特徴はその締め付けの際にバネを使わないことです。(他社ではバネ使うことがほとんど)四隅のマウンタが同様の機能をしていると伺いましたが、果たして。

【捕捉 LGA1150&1155取付】


 LGA1150や1155の環境では裏側からネジを立てて固定する方式を採用しています。他社だとバネを利用して最適なテンションをかける仕組みが多いですが、W1ではバネを採用しておりません。


 上記の用にプラの厚めワッシャーと手締の大きめのナットを使ってネジを固定した上に水冷ブロック&マウンタを載せ、上からそのマウンタを手締ネジとワッシャーで押さえつける構成になっています。

 水冷イベントをご覧になられた方がいればお気づきかと思いますが、イベント時ブロックがうまく固定できなかったのはこの構造が原因でした。 ワッシャーが薄く、ネジが締め切れないためブロックの固定がうまくできませんでした。
 製品版ではワッシャーを増やし対策をしているようですが、しっかり締めきれているか締めた段階では少し不安がある構造です。(実際に検証ができていませんのでこの辺りは後日フォローします) 取付の手間がLGA2011に較べてかかりますので是非次期モデルがあるようでしたらマウンタについては改善されたほうが良いかと思います。


【検証】


 今回の検証環境はvol.5のCPUブロック検証環境を引き継ぎまして以下の環境にて行います。

CPU    Intel Core i7-5960X Extreme Edition
GPU    EVGA GEFORCE GTX 750Ti
M/B    ASUS Rampage V Extreme
メモリー    Corsair Dominator Platinum CMD16GX4M4A2800C16
電源    Corsair AX1200
ファン    Noctua NF-F12 industrialPPC-3000 PWM
Radiator    Black Ice Nemesis 360GTS
Reservoir    XSPC D5 Dual Bay Reservoir V2
Pump    aquacomputer D5 pump motor with USB and aquabus interface
クーラント    aquacomputer Double Protect Ultra Blue
ファンコン    aquacomputer aquaero6 XT 

 負荷は定格時、4GHzオーバークロック時それぞれで、OCCTを30分回して最高温度とアイドル30分後の最低温度を計測しています。モニターはOpenHardwareMonitorを使いaquasuiteで取り込んでログを出力しています。水温は経路上に設置した水温計から同じくaquasuiteでログを取得しています。両方とも1sec間隔で記録しています。

 今回は比較対象用にEKWBのSupremacyEVOの計測値も載せておきます。他のvol.5のブロック類を検証した際と室温の差がありますので そのままでは過去のブロック類と比較しづらいかと思いましたのでSupremacyを基準にして相対的に他社製品と比較してください。

 

【計測結果:CPU温度は若干高めだが同価格帯としてはほぼ同等の性能】

 計測結果を見るとW1はSupremacyに比べると若干高めの温度で推移しています。水温の差は大きく変わりませんが温度の差が出ていますのでブロック単体の性能はEKのSupremacyの方が良いようです。ブロックの内部を見ると、W1はフィンピッチはかなり細かく作られていますがクーラントはフィッティング取付部から直接流れ込み出る仕組みになっています。Supremacyはブロックやプレートなどを用いて水流をコントロールしていますのでその構造の差が性能に出てきているかと思います。
 今回は計測していませんが同価格帯のswiftechのCPUブロックなどと似た感じの性能かとおもいます。

【まとめ:価格相応の性能、ただしマウンタは若干クセあり】

 価格はW1が6,980 円 (税抜)、Supremacyは11,655 円 (税抜)です。コストパフォーマンスを考えればW1は最安価格帯のブロックながらかなり健闘しているのではないでしょうか。
 ただ欠点を言えば利用者の多いLGA1150向けのマウンタの構造がやはり心配です。可能であれば今後改善型になることを期待したいです。 LGA2011については取付は用意ですがやはりバネ式固定でないのが気になります。CPUの冷却ができていたのでLGA2011環境での取付の問題はないと思います。
 水冷システムはトータルコストがどうしても高くなるのがネックです。コストを落としつつもそこそこ性能のブロックを使いたいということであれば良い選択肢になるかもしれません。他社の安いモデルは流通量が少ないこともあり、入手性が良くないこともありますが、今回のW1はthermaltake製ということもあり、他社モデルより入手性がよいことも期待できます。エントリー向けのセットも用意されていますので初めて水冷を使う方向けには悪くないのではないでしょうか。
 水冷業界は久しく新メーカーの参入がありませんでしたので今後もhermaltakeさんには新商品を継続的に開発していって頂き、活性化指定っていただけたらと思います。1ユーザーとして期待しています。

【次回のお知らせ】

  次のレビューは同時にリリースされたthermaltakeのラジエーター RL360をレビュー予定です。